第138話 揺れる心
「ふたりきょうだい」には、宿命的な感情の揺らぎがあるようだ。プラスとマイナスの関係は、いつも流動的に「ふたり」の中を「ひとつ」にしたり「ふたつ」にしたりしているみたいだ。仲の良さも悪さも、行ったり来たりしている間柄。

女のふたりきょうだい、男のふたりきょうだい、男と女のふたりきょうだいには、兄と妹、姉と弟の関係があるだろう。ニーニとクリオ。姉と弟のパターン。

生まれてきたとき、初めての赤ちゃんで育った子と、生まれてきたとき、すでにきょうだいの存在があった子とでは、ずいぶんと子ども自身の成長に影響するのかもしれない。

初めての子どもなので、家族みんなからとても可愛がられて育ったニーニ。でも、クリオが生まれて来てから、ニーニはどんな経験をするようになったのだろう・・・。

新しく生まれてきた赤ちゃんを、みんな可愛がるのを見て、上の子はどう感じるのだろう。ニーニが赤ちゃんを可愛がっていた姿を私は何度か見かけたことがあるけれど、そうでないときもあったようで、ママから叱られて泣いていたこともある。そして、いつしかもう自分のことをみんな前のように可愛がってくれないと感じるようになっていったのかもしれない。大人たちはふたりを同じく可愛いと思っていても、上の子はそうは思えないときもあるのかもしれない。

ある日のニーニにそんな寂しさを見たのだった。私の車の助手席に乗っていたとき、ふと横の車窓に目を向けて、ニーニはポツンと言ったのだった。「ニーちゃんしんで、またあかちゃんにうまれてきたいな。そしたらまたみんなかわいがってくれるもの」と。

その言葉は中に浮いたようになったまま、私は車を走らせていた。どう言葉を返してあげたらいいのか分からないままハンドルを握っていた。

もうすぐ2年生になるころのことだったが。そんなことを言わせてしまうようなことがあったのだろうか・・・。ニーニの心の中の影の部分を覗いてしまったかのような思いがしていた。

けれどいつだったか、そんな言葉とは正反対に「はやくおとなになりたいなぁ」と、独り言のように言っていたこともあった。背伸びをしたい気持ちと、赤ちゃんに戻りたい気持ちとが、シーソーのようにアップダウンしているかのようだ。そうやって成長していくものなのだろう(^。^)y-.。o○♡♡★
第137話 ヒナの死
「昨日ね、アパートの通路のところで、鳥のヒナが2羽死んでいたの」
「え?トリのヒナがしんでいたの?2わ?どこに?アパートのどこに?」ニーニは真剣な口調で聞く。
私は車を運転しながら、その死骸のいきさつを話してやる。1羽はたぶんアパートの住人にでも踏まれたのだろう。内臓が飛び出していたが、もう1羽はそんな風にはなっていなかった。

「かいしゃにいくときに、きがついたんでしょ?じゃあ、どうしてふまれないようによこにどけておいてやらなかったの?」
「そうだね…。急いでいたから…」ほんとにそうしてやっていれば、あんな可哀そうな姿にならずに済んだかもしれないのに…と後悔。でも、もう死んでしまっているとはいえ、私は1羽ずつ小さなポリ袋に入れて、それを紙袋の中に一緒に入れ、そして新聞紙にゆるくるんで、ゴミ袋の一番上に入れて、ゴミ出しの日に備えたのだった。

「どうしてすてたの?」とニーニ。「だって、もう死んでいたからだよ」「でも、もしかしていきかえったかもしれないでしょ?」「死んでたから生き返らないの」「ニーちゃん、みたかった…。でも、またうまれてくるからだいじょうぶだよね?」
最近、転生のことを学んだニーニ。「そうだよ、また生まれてくるよ」(^。^)y-.。o○

それにしても、小さなポリ袋を手袋のようにして、ヒナをつかんだ時の何とも言えない儚いこたったとした感触が思い出されてくる…。命の儚さが哀しい…。
第136話 8歳の女性
「ニーちゃんじょせいになるから」などと言って、顔にパウダーファンデーションをたたいて、鏡を覗いている。

女性などという言葉を使って、お化粧は大人がしているから、そんな気分になって言ってみたのかもしれない(^^♪

今日は紅ふでで、ラメ入りのベージュの口紅を丁寧に塗っている。「このいろきにいったの。キラキラはいっているから」だそうだ(^^♪
あちこち白くムラのある顔を私のほうに向けて、こぼれそうな笑みを浮かべて満足気だ(^_-)-☆

「あ、『女性』になった」と私が言うと、「きれい?」とちよっっと不安げな顔で聞く。

私は白くムラになっている部分を指先で軽く伸ばしてあげながら、「うん、きれい」と言ってあげると、ニーニはニコッとして嬉しそうにした(^_-)-☆
第135話 ペガサス宇宙人
ペガサスのガラスの置物は、赤、青、オレンジの三色に色が変わる。スイッチを入れて、光るペガサスを見ているとき、ニーニが言う。「あれ、これウチュウ人でしょ?」「これはペガサスだよ。羽の生えた馬だよ」と、私が説明しても「これウチュウ人。ニーちゃんみたよ。クリオをみた。まどのそとにみえたんだよ。はねがはえていて、とんでいた」「そうなの?ウチュウ人見たんだ」と言いながら、それは突拍子のないことを言っているように思えたが、でも、もしかして二人は本当に見たのかもしれない(^_-)-☆

(羽が生えた宇宙人?それは天使じゃない・・・?)

子どもって素敵な生き物だから、天使だって見えてしまうかもしれない(^。^)y-.。o○
第134話 手作りプラネタリウム
100円ショップで買った手作りプラネタリウム。ボール紙に12面の六角形があり、それを切り抜き、押しピンを使って、小さな穴をできるだけたくさん開けていく。それが夜空の星になるようだ。

六角形の十二面体の球体ができた。それから暗くなるのを待って、部屋の壁や天井に星空を作ってみた。二人の子は、ワクワクしながらこの瞬間を日中からずうっと待っていたのだ。壁に現れた星空は思ったよりも大成功だった(^_-)-☆

「うわーっ、チュゴイ!」と3歳児。「きれいだね~!」とため息交じりの7歳児。
本当に無数の星が夜空に煌めいているように見える(^_-)-☆

「これほんものの星みたい。うわーっ、うごいているよ。きれい~」
私は手のひらにのせたプラネタリウムを静かに動かして、壁や天井に星々を流し続ける。
「あ、ながれぼしだよ★~」「うわーっ、ながれボチだね~」とチビも言っている。

そのうちニーニはキーボードにスイッチを入れる。ほんとにムード満点だ!『星に願いを』のメロディーが流れる♪(^^♪

家の中で、これほどの天体ショーが楽しめるなんて、まるで奇跡のよう(^_-)-☆
百円銀貨の魔法だ!

ニーニが言う。「かみさまもみてるかな?」
「そうだね、きっと神様も見てるよ。ニコニコしてる」(^。^)y-.。o○
神様の笑顔が二人の子どももたちを包んでいるに違いない(^_-)-☆
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